コラム

野生を呼び覚ませ! 〜生きている実感を取り戻す〜

2017.04.17


第3回:静寂に溶け込む

ある先住民が狩りをするために、森に入るときを想像してみたいと思います。手には弓矢か槍か、何かの武器を持っていることでしょう。物音を立てないよう、細心の注意をしながら、森に溶け込むように静かに歩きます。

目は一点を凝視するのではなく、視界に写る全てをぼ〜っと眺めるように見ています。そのほうが、あらゆる些細な動きを感知し、獲物を捕らえることができるからです。耳はわずかな物音も聞き逃しません。

こんな状態の時、その先住民は完全に覚醒しながら、まさに静寂の中に溶け込んでいます。想像するだけで、自分の野生が呼び覚まされる感じがしませんか?

こんなリアルないのちのやり取りはしたことはありませんが、自然の中で完全に心を落ち着かせて、静寂に身を置いたとき、自分の生命エネルギーが発露してすごく嬉しくなってしまった経験があります。これも一つの野生の呼び覚ましかたかなと思います。

それはある「歩く瞑想」の時間でした。歩く瞑想とは、呼吸に意識を向けながら、一歩ずつ丁寧に、大地にキスするように歩くこと。「今、ここ」にあり続ける瞑想の手法です。

場所は屋久島の森。一人ずつ時間をずらして歩く瞑想をしているとき、こころの底から嬉しくなって、ああ〜なんて幸せなんだ!と思いました。

今どきの言葉でいうと「マインドフルネス」ですね。ここ、数年、医療の現場や企業の研修で取り合われるようになって、にわかに注目を集めている「マインドフルネス」。実はBe-Nature Schoolでは設立当初から取り入れていたんですよ!(ちょっと自慢)。

マインドフルネスを提唱するベトナムの僧侶、ティック・ナット・ハン師を日本に招聘し、その著書の翻訳にもかかわった中野民夫さんが21年前のBe-Nature School設立メンバーの一人で、マンドフルネスを持ち込んだからです。

正直、最初は難しかった、というより上手に入っていけなかったたんですが、いまはその意味がだいぶ解ったような気がします。

ということで、静寂に溶け込む≒マインドフルネス。

さて、ここからは宣伝です。そんな中野民夫さんと「マインドフルリトリート屋久島・2017」を来る8/8〜11に開催することになりました。
たたでさえ、野生の色濃い屋久島で、丁寧に「今、ここ」にいつづけるマインドフルネスな時間を、心の底から味わうとはなんという贅沢な時間でしょう!
興味のある方は、是非こちらへ!
https://be-nature.jp/archives/5061