2017年 テーマ「野生」

 

第4回:森の中を駆ける

ドイツの高級車メーカーの宣伝に「駆け抜けるよろこび」というフレーズがありましたが「森の中を駆ける」はまさにそんな感じです。

別にそんなに速く走らなくてもいいんです。森の中でちょっと小走りに動き出すと、歩いている時とは全く違う世界を味わえます。

狭い小道沿いに生える木々はすぐ側に迫り、さっと通り過ぎていきます。
平らでない地面に対しては、どこに足を置いてどんなルートを取るかを瞬時に判断するために、注意深く見極めないといけません。
足裏の感覚は、このままのスピードで行って滑らないかどうかを感知して、脳に信号を送ってきます。

それは、スピード感を味わいながら、身体だけではなく五感が思い切り活性化して、
全神経や脳がフルスピードで動いている感覚。
まさに身体の奥底から「生きてる!」実感がこみ上げてきて、全身によろこびが満ちてきます。

これは、競技場のトラックや、街中のルートや、ましてやジムのランニングマシーンを走っているときとは全く違う感覚です。

さらにお勧めなのは、森の中の緩やかな下り坂。すこし走り出すと重力が加わって、あなたの身体は加速するように飛んでいきます。そんな風に下り坂を駆け下りる時、そのスピード感と全身の活性化で「野生」が呼び覚まされ、思わず「ひゃっは〜」とか「あ〜あああ〜」と叫びたくなるぐらいです。

前回のコラム「静寂に溶け込む」では屋久島の森をゆっくりと歩く「歩く瞑想」のことを書きましたが、本当のことを言うと下りのルートでは、私はだいたい駆けてます(笑)。だって、それが本当に楽しくて、身体も心もものすごくよろこぶからです。

ということで、一番効果的に、かつ手っ取り早く「野生を呼び覚ます」方法は、森の中で下り坂を駆け下りる、かもしれません。でも、十分注意して下さいね。
脚の故障につながったり、落ちてケガをしたり、下手をしたら死ぬ可能性だってあります。やはり、面白いことには、危険が伴うのですね。

さて、この「駆ける」ですが、その基本動作はもちろん「歩く」です。そこで「歩く」にフォーカスしたプログラムを実施します。アプローチ方法は東洋的身体技法です。
力や筋肉で歩くのではなく、自分の腰をエネルギー化して歩くと、それこそ修験道の山伏のように険しい道もサササっと歩くことができるそうです。

そんな奥義を伝授してくれる松田恵美子さんと、9月に別所温泉で実施する「身体の野生を呼び覚ます〜天と地をつなぐエネルギーとしての自分に出会う」
興味のある方は是非、ウエブでご確認ください。

※追記
写真は、森の中を駆け下りる幼児たち。野生に近い彼らは、森の中に行くとだいたい走りだします。


第3回:静寂に溶け込む

ある先住民が狩りをするために、森に入るときを想像してみたいと思います。手には弓矢か槍か、何かの武器を持っていることでしょう。物音を立てないよう、細心の注意をしながら、森に溶け込むように静かに歩きます。

目は一点を凝視するのではなく、視界に写る全てをぼ〜っと眺めるように見ています。そのほうが、あらゆる些細な動きを感知し、獲物を捕らえることができるからです。耳はわずかな物音も聞き逃しません。

こんな状態の時、その先住民は完全に覚醒しながら、まさに静寂の中に溶け込んでいます。想像するだけで、自分の野生が呼び覚まされる感じがしませんか?

こんなリアルないのちのやり取りはしたことはありませんが、自然の中で完全に心を落ち着かせて、静寂に身を置いたとき、自分の生命エネルギーが発露してすごく嬉しくなってしまった経験があります。これも一つの野生の呼び覚ましかたかなと思います。

それはある「歩く瞑想」の時間でした。歩く瞑想とは、呼吸に意識を向けながら、一歩ずつ丁寧に、大地にキスするように歩くこと。「今、ここ」にあり続ける瞑想の手法です。

場所は屋久島の森。一人ずつ時間をずらして歩く瞑想をしているとき、こころの底から嬉しくなって、ああ〜なんて幸せなんだ!と思いました。

今どきの言葉でいうと「マインドフルネス」ですね。ここ、数年、医療の現場や企業の研修で取り合われるようになって、にわかに注目を集めている「マインドフルネス」。実はBe-Nature Schoolでは設立当初から取り入れていたんですよ!(ちょっと自慢)。

マインドフルネスを提唱するベトナムの僧侶、ティック・ナット・ハン師を日本に招聘し、その著書の翻訳にもかかわった中野民夫さんが21年前のBe-Nature School設立メンバーの一人で、マンドフルネスを持ち込んだからです。

正直、最初は難しかった、というより上手に入っていけなかったたんですが、いまはその意味がだいぶ解ったような気がします。

ということで、静寂に溶け込む≒マインドフルネス。

さて、ここからは宣伝です。そんな中野民夫さんと「マインドフルリトリート屋久島・2017」を来る8/8〜11に開催することになりました。
たたでさえ、野生の色濃い屋久島で、丁寧に「今、ここ」にいつづけるマインドフルネスな時間を、心の底から味わうとはなんという贅沢な時間でしょう!
興味のある方は、是非こちらへ!
http://be-nature.jp/archives/5061

第2回:野生を呼び覚ますいくつかのアプローチ

野生を呼び覚ます、つまり自分の生命エネルギーが発露するような状態には、どうしたらなれるのか。その方法について考えてみたいと思います。
Be-Nature School運営20年の経験、さらには子どもの頃からの様々な体験を通じて、「これは有効だ」と私が思うにいたったアプローチをいくつかに整理してみました。

それは
1:現場に立ち会う
2:静寂にとけこむ
3:森の中を駆ける
4:道なき道を行く
5:生きる為に動く
の五つです。これだとなんのことだかわからないと思いますので、何回かに分けて説明していきましょう。

まずは「現場に立ち会う」です。
なにに立ち会うか?自然のエネルギーが、ぐぐぐっと溢れ出す現場にです。

(さらに…)


第1回:都市生活者にもっと野生を!

突然ではありますが、Be-Nature Schoolおとなの自然塾は2017年度のテーマを「野生」とすることに決定しました。

野生という言葉から、何を連想しますか?サバンナの動物、大海原を巡るイルカ、もしかしたら都会の路地裏でたくましく生きる雑草でしょうか。
それらはもちろん野生ですが、特にフォーカスしたいのは私たちひとり一人の中にある野生です。それを私は「根源的な生命エネルギーの発露」と定義したいと思います。

ところで「根源的な生命エネルギーの発露」する感じって、わかりますでしょうか。
言いかえるならば、「心の底からチカラが湧いてくる」とか「身体の奥から喜びが湧き出てくる」ような感覚。まさにいのちが喜び、生きてる!って思う瞬間です。

生きている限り、生命エネルギーは誰にとっても根源的に存在するものだと思います。でも、それが「発露」する、つまり溢れ出るような感覚を味わいながら毎日を生きている人って、そう多くはないように思います。逆に都会人の多くは、生命エネルギーをすり減らしながら、毎日を慌ただしく生きているのではないでしょうか。

だから2017年度おとなの自然塾は「野生」を呼び覚ますようなプログラムを展開することにしました。それは必ずしも原生の自然に出て行くことだけではありません。参加する皆さんの「根源的な生命エネルギーが発露」して「いのちが喜び」、「生きている実感」につながるような体験を、様々なアプローチで提供したいと思います。

第一弾はトーキングバー「ギアナ高地・原始の大地を歩く」4/12(水)です。
ギアナ高地は南米ベネズエラにある、地球最後の秘境と言われる場所です。まさに野生なる自然への探訪記ですが、会場は渋谷のBe-Nature Schoolオフィスです。
スライド&トーク、そしてお酒と南米料理で、都会にいながらあなたの野生に火をつけにきてください。

Be-Nature School・森 雅浩