森雅浩の物件探しの旅

第9話:東京の東側

2014.01.10

お茶の水

昨年末からバタバタと内見をしていますが、その中にお茶の水の物件がありました。お茶の水と言えば楽器街。ギター小僧だった中学時代に胸ときめかせて通った記憶があります。あとはスキー&アウトドアショップでしょうか。お茶の水といっても駿河台、神保町の方に伸びて行く感じですね。

今回の物件はそれとは逆の方向にある4階建ての小さなビルの1階と地下1階です。元はビストロだったらしく、外見がかわいいです。厨房設備も少し残っていて料理ワークショップやサロン運営にはグッドですね。

写真1

旗の台の物件に比べて外に向かって開いている感じがいいです。日当たりはないものの幹線道路から一本入った道に面していてクルマも駐めやすく荷物の搬出入にも良さそうです。
ただし狭いので使い方に工夫が必要です。まず1階をカフェのようにしつらえ、地下は資料・コピー機・備品置き場兼作業場として使用する。スタッフは地下に置いた資料から必要な物をピックアップして、まさにカフェに行くようにして1階で仕事をする。来客やミーティングも1階(≒自社カフェ)を使用するイメージです。
1階では平日夜に小規模なワークショップやイベントを定期的にやりたいですね。料理やドリンクも提供できるので、今までとは違った展開が可能になってワクワクします。ただし、その時間は事務作業ができないので、スタッフはイベント運営に関わるか、よそに行って仕事をしないと行けません(笑)。夜は事務作業をするべからず、ということでしょうか。
心配なのはイベント備品の収納と出し入れですね。いかんせん広さとしてぎちぎちなので、夏のハイシーズンにどうなっちゃうのか心配です?
ここはかなり引かれました。家賃が手頃なのもいいです。継続検討リスト入りです。

 

新御徒町

そんな名前の駅ははじめて知りました。駅近くの古いアーケード商店街を抜けて地図を見ていたらおばちゃんが「どこの店探してるの?」と声をかけてきました。
「あ、物件を探してるんですよ」
「ああ、物件なのね。お店だったら何でも知ってるから教えてあげようと思ってさ」
「あ、ありがとうございます」
下町なんです。人情のまちなんです。なんだか心がほっこりします。
さて、物件は昭和3年築の一軒家。インパクト有ります。1階の半分は店舗、半分は1BOX車も余裕の建物内駐車場と備品庫に十分なスペース。さらにその奥は作業場。2階にも広いスペースと昭和なベランダがあり、お茶の水の物件とは逆にでかいです。3社で十分シェアできます。トイレも3カ所あります。

写真2

実はこの物件、前にタイ人を妻に持つ人が日本旅館(バックパッカーズ宿的な)とすべく申込をしたのですが、建物が古くて建築規制がクリアーできずNGになったとのこと。
とにかく妄想の広がる物件です。旅館じゃなくてもここにきたら相手は「世界」ですね。日本人にとっては下町の不便な場所ですが、外人にとってはすごく魅力的なはずです。
まず1階は建物の持ち味を活かしてカフェにします。ネットを通じて外人さんがわざわざ来ます。オー、昭和ジャパン、シタマチ、オモテナシです。
もちろん近所のおばさんも常連です。そこで絶対に必要なのはオリジナルスイーツ。おばちゃんにはスイーツドリンクセットを¥600でご提供。
ここでしか買えないスイーツを求めて外人のみならず日本人もわざわざ来店。2年後には評判を聞きつけた伊勢丹のバイヤーに押されて、仕方なく伊勢丹地下一階にスイーツ販売コーナーを出店。いや〜、ここまで来るともうBe-Natureだかなんだか分からないです(笑)

 

エリアと建物の魅力、その相関関係

昭和3年の物件はスタッフ合宿で設定した条件のうち

・ストーリーがある一軒家
・+αが可能で飲食もOKな店舗的事務所

の二つを満たす超魅力的な物件です。
帰りは浅草橋まで歩いて行きました。その途中というか物件のすぐそばに「おかず横町」という商店街があって、これがまた渋い。ものすごく気分が上がりました。ただ、この場に自分が、いやBe-Natureが腰を据えて地域に根ざしてやっていこうと思うか、と問われると「ハイ!」とはすぐには言い難い。相当なマインドシフトが要求されます。
お茶の水の物件は、
+αが可能で飲食もOKな店舗的事務所
にあたりますね。
駅からのルートはイチョウ並木があったりして意外にも気持ちよく、文化の匂いがするので悪くないなと思いました。お茶の水駅聖橋口の駅前も嫌いじゃないですね。新御徒町よりぜんぜん都会です。家賃が安いのも魅力的です。でも、理想か?と問われるもろもろを含めて、完璧ではないです。

さて、もうすこし物件探しの旅を続けましょう。